統計学輪講 第11回
日時 | 2025年07月01日(火) 15時45分 ~ 16時35分 |
---|---|
場所 | 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom |
講演者 | 矢野 智也 (経済M2) |
演題 | Fernández-Steel分布を拡張した分布を用いたStochastic Volatility Model |
概要 |
株価や為替などのリターンの分布には正規分布よりも裾が厚く左に歪んでいることが知られている。Stochastic Volatility(SV) Modelにおいてもこの性質を表現するために、誤差項に対して様々な分布を用いることが提案されてきた。[1]ではこれらの分布を予測の観点から比較し、ボラティリティの予測についてはFernández-Steel Skew-t分布を用いるのが良かった。しかしValue-at-RiskやExpected Shortfallなどの分布の分位点に関する予測については課題が残っている。 本発表ではFernández-Steel分布の考え方を使い、それを任意の分位点で接続できるように拡張した分布を誤差項に用いることを提案する。この分布ではより柔軟な分布の歪みを捉えられると考えている。発表ではこの分布の構成方法と、分位点に関する予測結果について報告する。本発表は大森裕浩先生との共同研究に基づく。 [1]Takahashi, M., Yamauchi, Y., Watanabe, T., & Omori, Y. (2024). Realized Stochastic Volatility Model with Skew-t Distributions for Improved Volatility and Quantile Forecasting. arXiv preprint arXiv:2401.13179 |