統計学輪講 第4回
日時 | 2025年04月30日(火) 14時55分 ~ 15時45分 |
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場所 | 経済学部新棟3階第3教室 および Zoom |
講演者 | 平木 大智 (経済D1) |
演題 | 形状制約付き関数型時系列データに対する状態空間モデルの構築 |
概要 |
本研究では、経済学などで観測される関数型時系列データに対し、単調性や凸性など の形状制約を確実に保持する状態空間モデルを提案する。推定対象となる関数は、あ らかじめ定めた制約を満たす複数の基底関数の凸結合として表現され、各時点の結合 重みが動的に推定される。これにより、形状制約を維持しながら関数の時間変化を捉 えることが可能となる。 また、非線形尤度に対処するため、Polya-gamma 分布を用いた新しいデータ拡大法を 導入し、モデルを条件付き線形型状態空間モデルに帰着させることで、効率的な MCMCによる事後分布の推定を実現した。シミュレーション実験や日本の家計所得デー タを用いた実証では、従来手法に比べ高精度なローレンツ曲線およびジニ係数の推定 が確認された。 本研究は菅澤翔之助先生(慶應大)、羽村靖之氏(京都大)、および入江薫先生(東 京大)との共同研究に基づく。 |