統計学輪講 第2回

日時 2025年04月15日(火)
14時55分 ~ 16時35分
場所 経済学部新棟3階第3教室
講演者 栗栖大輔 (東大CSIS)
演題 ランダムオブジェクトの統計分析
概要

ランダムオブジェクト解析に関する最近の研究成果[1], [2]について紹介する.[1]では,アウトカムが距離空間に値をとり,ユークリッド空間に値をとる共変量をもつ場合の回帰モデルである大域的フレシェ回帰のモデル平均について議論する.まずモデル平均推定量を導入し,クロスバリデーションを利用した最適なモデル重みの選択方法について紹介する.また数値実験の結果についても紹介する.[2]では,多様体上に値をとるデータに対して,経験尤度法を利用した一般化フレシェ平均の推定と信頼領域の構成,検定の方法について議論する.まずベンチマークとなる結果の紹介から始め,その後いくつかの拡張について議論する.数値実験の結果についても紹介し,応用例として(1)カメの移動方向データ,(2)仮想地磁気極の方向データ,(3)マウスの胸椎形状データの分析結果についても紹介する.

[1] Kurisu, D. and Otsu, T. (2025) Model averaging for global Frechet regression. Journal of Multivariate Analysis 207, 105416.
[2] Kurisu, D. and Otsu, T. (2025) Empirical likelihood for manifolds. Working paper.